動画ファイル形式(動画コンテナ)とコーデック(エンコード・デコード)についての基礎知識

動画ファイルの種類やエンコードの仕方について解説しています。

動画編集ソフトに動画ファイルが読み込めない

初心者の方の多くが、動画ファイルが動画編集ソフトに読み込めなくて困った、という経験をされていると思います。

動画編集ソフトの中には、特殊な動画ファイル形式を読み込む場合には、別途プラグインなどをインストールする必要があるものが存在します。

市販されている動画編集ソフトでは、そうした事も少ないとは思うのですが、フリーソフトとして使用する事が出来る動画編集ソフトでは、デフォルトの状態だとMP4やMOV、WMVといったファイルくらいしか読み込めず、WebM(ウェブエム)といった拡張子のファイル形式は読み込めなかったりします。

無料の動画編集ソフト

無料の動画編集ソフト

ですので、そうしたフリーソフトの動画編集ソフトを使ってる場合には、特殊な動画ファイル形式でも読み込めるプラグインをインストールしましょう。

画像ファイルが読み込めない時の対処法

また、たまに、動画編集ソフトで画像ファイルが読み込めなくて困ってしまうという人もいらっしゃいます。

通常、動画編集ソフトの編集画面に画像ファイルをドラッグ&ドロップすれば、画像ファイルは読み込めます。

ただ、動画編集ソフト側で、読み込み最大解像度の設定を行っていて、1920x1080までの解像度のファイルしか読み込めない様にしている場合、画像ファイルの解像度が2000x1200であれば読み込めなくなります。

読み込み最大解像度

読み込み最大解像度

ですので、画像ファイルが読み込めなくて困っている方は、読み込み解像度の設定が最大でいくつになっているのかをまずは確認してみましょう。

ファイル形式(ファイルフォーマット)とは何だろう?

ファイル形式は、英語ではファイルフォーマット(File Format)といって、ファイルの種類の事を意味する言葉です。

以前にも紹介したかもしれませんが、ファイルの種類には、動画ファイルや音声ファイル、画像ファイル、テキストファイルなど色々な種類があります。

そして、動画ファイルの中には「MP4」・「WMV」・「MOV」といった種類があって、画像ファイルの中にも「PNG」・「JPEG」・「GIF」といった種類があります。

こうしたファイルの種類の事を「ファイル形式」(ファイルフォーマット)と言います。

ファイル形式の違い

ファイル形式の違い

※ ただ、テキストファイルの場合、「.txt」という拡張子のテキストファイル形式のみとなっています。

動画の場合のファイル形式には、その動画の中に保存する音声と映像のデータをエンコードするためのこーっでくに対応しているか、などの違いがあります。

画像のファイル形式の場合には、イラスト系の静止画を表示するのに適しているのか、実写の写真を表示するのに適しているのか、などの違いがあります。

※ また、画像ファイル形式の「GIF」では、静止画のデータを繋げてアニメーションにしたデータなどを保存する事が出来る、といった違いがあります。

このように、ファイル形式(ファイルフォーマット)ごとに、何のデータを保存できるのか、どういったデータが適しているのかといった違いがあります。

そして、ファイル形式の種類は、拡張子によって区別されます。

拡張子とは何だろう?

拡張子(かくちょうし)とは、パソコン内の各ソフトが、そのファイルが何のファイル形式なのかを判断するために、ファイル名の後に付けられている「.~~」という文字列の事です。

例えば、「MP4動画ファイル形式」の場合、ファイル名の後に「.mp4」という拡張子が付けられていて、「PNG画像ファイル形式」の場合、ファイル名の後に「.gif」という拡張子が付けられています。

MP4動画ファイル形式の拡張子

MP4動画ファイル形式の拡張子

PNG画像ファイル形式の拡張子

PNG画像ファイル形式の拡張子

この「拡張子」が付けられている事によって、パソコン内の各ソフトが、”このファイルはMP4動画ファイル形式だな”、”このファイルはPNG画像ファイル形式だな”、といった事を判断できるようになっています。

このように、拡張子というのは、ファイル形式(ファイルフォーマット)を識別するためにファイル名の後に付けられる文字列となっています。

※ また、拡張子を変更したりすると、そのファイル内のメタデータに不具合が生じて、ファイルを再生したり表示したりする事が出来なくなるので注意しましょう。

エンコード時のファイル形式と拡張子

動画編集ソフトで編集した映像と音声のデータを、MP4動画ファイルなどにエンコードする際には、MP4動画ファイル形式が対応していないコーデックを使った場合、保存される映像データと音声データに不具合が生じたりします。

同じように、エンコードソフトなどで、MP4動画ファイル形式にエンコードするためのコーデックを使用しているのに、拡張子をMOV(.mov)やWMV(.wmv)などに変更して動画コンテナへ保存すると、映像や音声が正常に再生されないといった事が起きてしまいます。

ですので、必ず、エンコードを行う際には、そのコーデックに対応している動画ファイル形式の拡張子に設定して出力を行うようにしましょう。